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マレーシアのゴルフ事情(その1)

マレーシアロングステイ物語(父の手記)

2006年5月からクアラルンプールのプリンスホテル・レジデンスでロングステイを始めました。寝室の他に約30畳程度のリビングルームにキッチンが付いており、ホテルと同じく毎日ベッドメイキングや室内クリーニングをやってくれ、二人の朝食が付いて、1ヶ月の部屋代が約25万円。数ヶ月の贅沢な生活の対価としては、特別に高価とは思わなかったのですが、こちらで知り合った日本人の皆さんからは、「リッチですね」「それだけ払うのだったらコンドミニアムに移れば住み込みのメイドと運転手が雇えるよ」など、冷やかしや批判をいただきました。それでも、自分たちでゴルフへ行ってみようと、先ずはパブリックのゴルフ場に電話をかけて予約しようとしたら、予約は必要でないし、到着順にスタートできるということでした。ホテルのタクシーを使って、ゴルフ場に出かけました。
一流ホテルに待機しているタクシーは、プレミアタクシーといって料金は一般タクシーの約5割増しです。こういう高級ホテルに泊まっている以上、汚いタクシーに乗るわけにはいきません。ゴルフ倶楽部の受付で、二人分の料金約5,000円を先払いし、キャディの名前を書いたカードをもらい、ゴルフバッグの置き場に行くと、あとはキャディがバッグをバギーに積み込みスタート室へ。ここでスコアカードをもらい、スタートのコースを決めてもらい、いよいよプレー開始です。パブリックのコースですから、コースの手入れ状況はあまりよくありません。それでも、1ヶ月の会費である約8,000円を払えば、後はバギーの利用料金だけでプレーできた”ゴールドコーストカントリークラブ”より少しはいいようです。日本と違って、アメリカでもオーストラリアでもそうでしたが、ゴルフはスルーで廻るのが原則ですから、9ホールをホールアウトした後に休憩はありません。15番ホールを終えた頃、南国名物のスコールが始まりました。雷も鳴り始めましたので、リタイヤすることにしてクラブハウスに戻りました。サイレンも鳴らなかったし、引き上げてきたのは私たちだけだったところを見ると、こちらでは少々の雷くらいではプレーの中止はないようです。シャワーも浴びずに着替えをして、フロントでタクシーを呼んでもらうように依頼しました。ところが、1時間待ってもタクシーは来ません。何度かフロントに催促しましたが、「まだです」という返事のみ。雨が降るとタクシーを捕まえるのが難しいとは聞いていましたが、これほどひどいとは思いませんでした。更に30分以上待ったので、少々強い口調でフロントに文句を言いました。ところが何とタクシー会社に電話が繋がらないということが分かりました。タクシー会社が電話を受けても、タクシー運転手にとっては雨が降れば稼ぎ時で、誰も応答しないのです。メーターは使わずに、売り手側の運転手の指し値で稼ぐということが分かりました。したがって、タクシー会社では電話に出ないで済むように受話器を外しているそうです。これには驚きました。仕方がないので、プリンスホテルのコンシェルジュに電話で事情を説明して、ホテルからタクシーを出してもらうことで、やっと帰り着くことができました。日本であれば、タクシー会社にとって近所のゴルフ倶楽部は上得意のお客さんのはずです。その先入観が誤解を生みました。ここは日本ではなくマレーシアだったのです。タクシー事情が全く違っていました。このように、クアラルンプールでの最初のゴルフは失敗の巻でスタートしました。

ちょうどその頃、クアラルンプールの日本人会で、私たちのような体験見学ビジターがゴルフを楽しめるような会をボランティアで立ち上げて下さったということを、インターネットで知ました。すぐに連絡を取り、次の週から毎週1回、会のサポーターの皆さんのご支援でゴルフができるようになりました。この会の名前は「ゴルフ木曜会」。現在も多くの体験見学ビジターが、クアラルンプール周辺でのゴルフを楽しめるように続けられています。約2年が経ち、今年の5月には第100回を迎え、貸し切りバスでイポーに遠征して2日間の記念コンペが盛大に開催されました。残念ながら、私たちは最近、ゴルフ木曜会には参加してはいませんので、この記念コンペにも参加しませんでした。
このゴルフ木曜会は、テンプラパークカントリークラブを本拠地として、カジャンヒルゴルフ倶楽部、バンギゴルフ倶楽部、スタッフィールドゴルフ倶楽部などが利用されていますが、私たちが最初に困ったのが、ゴルフ場までの交通機関の問題でした。このゴルフ木曜会では、近くに住んでいる方がホテルやコンドミニアムに迎えに来てくれますし、そのような方がいない場合は、タクシーで日本人会まで行くと、後はサポーターの皆さんの車に便乗させていただくことができる完璧な支援体制ができています。このような会に参加して、ゴルフは当然ですが、同じライフスタイルを指向する日本人の皆さんとお知り合いになれ、ゴルフ後のパーティーはもちろん、往復の車の中などで、クアラルンプールに住むためのいろいろな情報が貰えるのが何より助かりました。ところが滞在期間が長くなると、いつもどなたかの車に乗せていただくだけというのも心苦しいもので、自分の車が欲しくなります。マレーシア政府が推進するMM2HPでビザを取得した者に、マレーシア政府は、母国で使用していた乗用車に限り免税で輸入することを認めています。私たちは既にこのビザを取得していますので、これを利用して車を日本から持ってくることにしました。木曜ゴルフ会で知り合ったNさんに心のこもったご指導とご協力をいただき、なんとか愛車をマレーシアに運ぶことができました。このような情報やお世話をして下さる方に巡り会えるのも、ゴルフ木曜会のおかげです。このようなことは、第3章で詳説するコンドミニアムを決めるときにも、お世話をして下さる方が現れました。更にそのコンドミニアムが、セリ・セランゴールゴルフ倶楽部の近くであったことも、何かの因縁だったのでしょう。このようにして、クアラルンプールのゴルフ事情がだんだんと分かってくるのですが、私たちのロングステイは、家内がゴルフの腕がコースに出られる程度になったので始めたわけですから、どうしても夫婦だけでラウンドしたいという願望が出てきます。パブリックのセリ・セランゴールでは、夫婦でよくラウンドしましたが、レストランもローカルフードしかありません。家から7分で行けるという便利さは気に入りましたが、コースコンディションがどうしても好きになれません。もっとゴルフを楽しみたい。そのためにはどこかの会員権を購入する必要があります。クアラルンプールでのロングステイを始めた当時から、どこかの会員権を購入することを考えていたのですが、仕事の都合で、3ヶ月毎に日本に帰る必要があり、会員権を購入することは無駄のように思われて諦めていました。そんなときに、Jさんがトロピカーナのメンバーになったということを知りました。Jさんの話によると、立派なドライビングレンジがあり、和食のレストランがあり、刺身が食べられるという。それでは、そのドライビングレンジに練習に行き、その和食レストランで食事をしようということになって、家内と二人で出掛けました。トロピカーナゴルフアンドカントリーリゾート(Tropicana Golf & Country Resort 以下トロピカーナゴルフ倶楽部と略)のゴルフコースは、前述のセリ・セランゴールゴルフ倶楽部のコースと隣接しています。行ってみると豪華なゲートがあり、ガードマンが車の番号を記録して用件を尋ねます。とにかくセキュリティがしっかりしているようです。「ドライビングレンジで練習をしたい」と告げると「Club House」と記入した大きなカードをくれ、ダッシュボードの上に置いておくようにと言って入門を許可してくれました。ゲートを入ると、中はゴルフコースに面して豪華な家が建ち並ぶリゾートでした。標識を頼りに車を進めてドライビングレンジにたどり着きました。100球でRM10ということで、とりあえず100球ずつ練習することにしました。こちらは暑いので、100球続けて打てば汗が出ます。300ヤード打っても大丈夫というくらい奥行きがあり、打席も1階と2階で56あります。もちろん屋根付きですし、グリップ交換などクラブの修理をしてくれるショップもあります。キャディバッグやボールを運んでくれるスタッフもいます。レッスンプロも何人もいるようです。
練習が終わって、噂の和食レストランに行くことにしました。レストランの名前は「錦水亭」といいます。寿司定食を頼んだら、最初にお吸い物の代わりにミニうどんが出てきました。ひとくちスープを飲んだらそのおいしいこと。驚きました。クアラルンプールには和食レストランと称するものが1000軒以上あるそうですが、高級といわれる店に何度か行ったのですが何かがちょっと違っていて、おいしいと思ったことは殆どありません。しかし、ここの料理には全く日本で食べるものと違和感がありませんでした。こうなると、だんだんとこのコースの会員権が欲しくなります。Jさんに聞くとRM35,000(約119万円)くらいで買えるらしい。一度はプレーしてから考えようと思っていましたが、12月に自宅で転倒して頭部を5針も縫う怪我をしてしまい、Jさんもオーストラリアに行っているということで、何も決めないまま帰国することになりました。しかし、ドライビングレンジに行く途中で見るコースはなかなか魅力的で、会員権取得の期待は高まるばかりです。マレーシア観光局が発行するマレーシアのゴルフコースのガイドブックによると、設計は往年の名プロゴルファー、グラハム・マーシュです。オープンの時は36ホールのコースだったそうですが、9ホールを宅地にしてリゾートスタイルのゴルフコースに改造したようです。しかし、隣接した場所に9ホール分の土地は現在も準備されているそうです。
今年の4月からの滞在で、メンバーのJ氏に依頼して倶楽部と話をつけてもらいました。5月になって話がまとまり、銀行で小切手を作ってもらい、RM35,000支払いました。こちらのゴルフ会員権は夫婦と10歳以下の子供が3人までメンバーとしてプレーできる家族会員権です。独身でもこの会員権を買うことになります。これもにほんのゴルフ会員制とは大きく異なります。二人分と思えば120万円の会員権もそんなに高いものではありません。それに、日本に引き揚げてくるときは売ることができますし、外国からの移住者も増えていますので、会員権の価値が上がることも予想されます。
1週間後には私と家内の仮の会員証がそれぞれに発行されました。また、車のフロントガラスに付けるメンバーのステッカーを貰い、夫婦揃ってメンバーとしてプレーする許可が出ました。このステッカーを付けていないと、キャディバッグを車から降ろして駐車場に向かうわけですが、ガードマンに誘導される駐車場は一番遠いところにあるビジター用駐車場になります。ステッカーを付けていると、バギーステーションに近いメンバー用の駐車場に駐車することができます。もちろん入門もフリーパスです。ゴルフ用以外の駐車場もメンバー優先で、一般の訪問者の駐車は制限があります。これは大変重要なことで、プレー終了後バギーステーションで自分のクラブの数量確認が終わったら、キャディバッグを自分の車のトランクにしまうことになっていますので、駐車場が近くないと困るのです。クラブチャンピオンになるとバギーステーションのすぐ近くに専用の駐車場が1年間与えられるのも納得できます。入会が許可されてからの2週間後には、キャディーバッグに付ける写真入りのネームタグを貰いました。家内にも同様のネームタグが支給されました。こちらの会員権は家族用が普通で、配偶者と18歳以下の子供まで会員資格でプレーできます。マレーシアで最も格調の高いゴルフ倶楽部と言われているロイヤルセランゴールゴルフ倶楽部の入会申込書を貰ったことがあるのですが、配偶者の欄が3人分あったのには驚きましたし、さすが4人まで妻を娶ることができるイスラムの国だと思いました。また、クラブハウスでクレジットカードの利用を申請すると、ゴルフの諸費用を含めてクラブハウス内のすべての費用がサインだけで済み、1ヶ月分まとめて明細書が送られてきて、クレジットカードでの決済になります。私たちのように3ヶ月毎に日本に帰国する者にとっては、毎月の会費支払いに支障が生じないので大変便利な制度です。毎月の会費はRM133(約4千円)です。6ヶ月以上マレーシアを離れる場合は支払いの必要はないそうです。この国では電気料金、電話、インターネット、有料衛星テレビのアストロなどの支払いが銀行からの自動引き落としができないので、3ヶ月離れると色々支障が生じます。そういう意味でもありがたいことなのです。
このゴルフ倶楽部のメンバーになって分かったことですが、更衣室が清潔で設備が良いことです。マレーシアでは約10カ所のゴルフコースでプレーしましたが、その清潔さと設備が整っていることでは一番と思います。日系企業経営のゴルフ場であるテンプラパークやカジャンヒルには日本式の風呂がありますが、実はこのトロピカーナにもシャワールームの他にジャクジー付きの浴槽があり、いつも空いているので一人で楽しみます。その横にはサウナもあり、専用のシャワー室も付いているのでこれもよく利用します。一般にマレーシアのコンドミニアムでは、浴槽のあるものは殆どありませんし、私の住むコンドミニアムにももちろん浴槽はありません。月曜、水曜、金曜はゴルフの日と決めていますので、毎週3回は入浴ができることになりました。これも、私たちがこのゴルフ倶楽部のメンバーになって喜んでいることの一つです。

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