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マレーシアのゴルフ事情(その2)

マレーシアロングステイ物語(父の手記)

さて、肝心のコースですが、East1、East2、West3の27ホールあり、プレーの申し込みをすると料金明細などと一緒にプリントアウトして指示されます。私のゴルフ場の評価基準の一つに、ティーグラウンドに立ったときグリーンが見えるかというのがあります。West3の2番ホールを除き殆どのコースが、少々の起伏があるものの基本的にフラットでグリーンを見ることができます。また、グリーンと次のティーグラウンドが近く、上手く設計されています。コースの手入れも他のゴルフコースに比べるとかなり多くの作業者がコースで働いています。これらの人たちが、プレーヤーが近づくと作業者のエンジンを止めて、プレーヤーが通過するのを待ってくれます。顔を合わせたとき「Thank you」と声をかけたり、感謝の合図に手を挙げると愛想良く笑顔で答えてくれます。これで気持ちよくプレーができます。コースはどのコースも横幅が十分にあり、右あるいは左に大豪邸が建ち並ぶコースもありますが、邸宅の敷地から約10m以上離れたところにカート道があり、その邸宅側に側溝があり、溝の中はラテラルウォーターハザード、側溝の邸宅側の側面がOBラインとなっています。横幅は広いので気になりませんが、知らないで次のショットを考えて邸宅側を狙って打つと打ち込んでしまうことがあります。特にWest3はウォーターハザードが非常に多く、第2打の池越えもありますが、池を挟んで邸宅が建ち並ぶ見事な景観です。奇岩がシンボルマークのテンプラパークゴルフ倶楽部のような自然の景観も好きですが、日本ではちょっとお目にかかれない建築デザイナーが競演したような大邸宅に囲まれてゴルフを楽しむというのもなかなかいいものです。その大豪邸のテラスでゴルフのプレーを眺めている人も結構いて、ナイスショットすると拍手が聞こえてびっくりすることもあります。そんなときには手を振って応えることにしています。フェアウェイの芝は非常に柔らかく、フェアウェイウッドで打ってもターフが取れてしまうくらいです。キャディーはよく訓練されており、ターフにはすぐに目土を入れてくれます。途中の茶店で休憩したら、優先権がなくなり、後続の組をパスさせます。このローカルルールはよく守られています。距離はメートル表示で青の鉄パイプに白線の数で、グリーンセンターまでの距離が200,150,100メートルと両側に表示されており、このほかに散水用の水栓キャプにもグリーンセンターまでの距離が表示されています。ボールの近くにある水栓を見つけては、距離を確認するのに非常に重宝しています。ワングリーンなので、どちらのグリーンまでの距離かというようなことはありません。マレーシアでも日本人経営のゴルフ場はヤードで表示されていますが、その他はすべてメートル表示です。また、その日のピンの位置は、手前にあるときは赤旗、中央に近いときは白旗、奥にあるときは青旗となっており、これは、マレーシアの殆どのゴルフ場で採用しているようです。しかし、青は遠くからは見えにくいので、慣れない頃は困りました。トロピカーナゴルフ倶楽部では、夜間照明の中を早朝6時頃から手引きカートで9ホールラウンドするアーリーバードを除き、原則としてバギーとキャディーを付けることになっています。バギーは二人乗りで、キャディーはバギー後部のゴルフバッグを乗せる場所にステップがあり、そこに乗ります。したがって、二人のプレーヤーに一人のキャディーが付くことになります。バギーの使用料金は6月から値上げされRM60になりました。キャディーは殆どがインドネシアから来ている若い娘達ですが、英語のできない者もおり、時々コミュニケーションに困ることもあります。しかし、新しく採用されてやってきたキャディーは訓練生で、キャディーフィーは必要ありません。訓練が終わるとニューキャディーとして働くことになりますが、ニューキャディーフィーはRM10です。1年後にはRM20となり正式のキャディーフィーはRM30になります。バギー代とキャディーフィーの合計に5%の税金が加算されるのですが、ゴルフ倶楽部に支払う費用はこれだけです。ホールアウトしたら、プレーヤー人につきRM10程度のチップをキャディーに渡します。二人のプレー費はバギーの使用料金RM60、BクラスのキャディーフィーRM20、この合計に5%の税金、そしてチップがRM20です。合計するとRM104(約3400円)になります。一人あたり1700円です。チップは義務ではありませんが、日本人のメンバーである私たちのグループでは、日本人の誇りでしょうか、プレーヤー一人につきRM10を渡すことに決めています。他のゴルフ場でも同程度のチップを渡しますが、渡さないという日本人プレーヤーも沢山います。全く訓練されていないキャディーでチップを求めるキャディーがいるゴルフ場もあります。ペナンで一度だけですが、そのようなキャディーがついて、キャディーマスターに文句を言ったことがあります。このようなことは他のゴルフ場でもあるようです。日本人とみれば何でも高く要求するのはキャディーだけではありません。アジアの他の国でもよくあることです。観光でやってくる日本人が大盤振る舞いをして、そのようにしてしまっているわけですから仕方ありません。また、スリや強盗の標的にされるのも同じ理由で、日本人はキャッシュを持ち歩く人が多いと見られているわけです。こちらでは、スーパーや本屋でクレジットカードを使うのは当たり前で、こういう習慣は欧米並みです。タクシーなどではよくあることで、メーターを使わずにメーター料金の2-3倍を要求してくる運転手は、観光地や日系のホテルの近くではよく見かけます。しかし、非常に良心的な運転手も沢山いますし、乗車拒否をせず、車内が清潔で、回り道をしなかった運転手には、少し多めのチップをはずむことにしています。そのような運転手は、チップをあげると喜んで「サンキュー・サー」と言ってくれます。実に気持ちのいいものです。
話が脱線しましたが、ゴルフに関する限り、メンバー優先が徹底しているマレーシアのゴルフ事情は、日本のゴルフ会員権事情よりも遙かに優れていると思います。もちろん一部の名門ゴルフ場を除き、日本の殆どのゴルフ場で見られるプレイイングフォアの特設ティーはどこのゴルフ場にもありません。私の知る限り、これは日本だけの問題で、お客であるプレーヤーを一組でも多く、しかも早く回したいというゴルフ場経営者の金儲け主義の象徴で、スルーでラウンドさせてくれないのも同じ理由です。日本ではフロントナインをホールアウトすると必ず小一時間の休憩があります。レストランに行って何か食べて下さいということです。コンペの場合、全員がホールアウトして風呂に入って汗を流した後に、表彰式のパーティーを行いますので、一日がかりです。個人で行っても、日本でのゴルフは朝早くから夕方までかかります。オーストラリアでは夜明けが早いので、午前6時からスタートできます。午前10時過ぎには18ホールをホールアウトすることも可能です。帰宅してブランチを食べて昼寝をしても、午後はたっぷり時間があります。ゴールドコーストでは毎日ゴルフをやっている人が沢山いたのも頷けます。メンバーの場合、年会費さえ払っておけば何回プレーしてもプレー費は無料なのです。ゴールドコーストのホープアイランドでは、バギーも自家用でしたので、自分の家の前からスタートして自分の家の前でホールアウトするというゴルフをしている人が沢山いました。マレーシアは赤道に近いので、夜明けは7時頃です。ゴルフは午前8時からスタートというゴルフ場が普通です。前述のアーリーバードは夜間照明を使って午前6時頃スタートし、夜明けを楽しみながらプレーしています。私たちがスタートする頃、アーリーバードたちはホールアウトして戻ってきます。時には私たちもこのアーリーバードをやってみたいと思っていますが、朝寝坊の私にはちょっと無理かもしれません。私たちはいつも予約もせずにゴルフ倶楽部にやってきて8時過ぎにスタートしますが、昼過ぎにはホールアウトできます。入浴したりシャワーを浴びた後、クラブハウスのレストランで昼食をとったり、自宅に帰って食事をすることもあります。また、途中のショッピングモールのレストランで食べることもあります。自宅から10分程度ですからこんなこともできるのです。考えてみれば当たり前の事ですが、日本ではなかなかこんなゴルフはできません。これも夫婦でゴルフをするなら外国でロングステイをしたいという理由の一つです。また、金儲け主義の日本のゴルフ場では、私のようなアベレージゴルファーはブルーティーからラウンドすることはできません。スタート室の許可が必要で、同伴プレーヤー4人の合計ハンディキャップが40以下でなければならないとか、勝手な理由をつけて拒絶しています。こちらのゴルフ場では、ブルーティーをつかうのかホワイトティーでラウンドするのかはプレーヤーが決めます。日本ではホワイトティーからのプレーが標準ですが、こちらでは、ホワイトティーからのラウンドは高齢者の多い日本人ロングステイヤーのコンペくらいで、ブルーティーからのスタートが普通です。トロピカーナで午前9時頃スタートしたことがありますが、朝露いっぱいの芝生のホワイトティーのティーグラウンドには足跡が一つもありませんでした。つまり、ホワイトティーからスタートする人が一人もいなかったということです。トロピカーナにはありませんが、マレーシアではブルーティーの後ろにブラックティーを設けているゴルフコースをよく見かけます。プロ用ではないかと勝手に想像していますが、初心者がインストラクターとブラックティーからラウンドしているのを見かけたことがあります。私たちが追いついたのでパスさせてくれましたが、距離の長い方がストロークの回数も増えて練習には適してます。これもプレーヤーの判断で選んでいると思います。日本のゴルフ場では、二人だけのラウンドでは追加料金を取るところが殆どです。これも日本のゴルフ場経営者の企みで、ワンフライト4人という勝手なルールを作ってしまったことが原因でしょう。マレーシアでもオーストラリアでも、ワンフライトは最大4人で、2人でも1人でもラウンドすることができます。ワンフライト4人でプレーする場合は、バギー2台とキャディー2人がつきます。3人でプレーするときは、バギーとキャディーフィーを2人で負担するか1人で負担するかの違いだけです。友人達と行くときはできるだけ偶数のなるように調整します。一人でやってきたプレーヤーも3人のフライトと組ませるとか、スタート室で可能な限り調整してくれます。特別料金など不合理な要求をするゴルフ場は行ったことがありません。ゴールドコーストのゴルフ場で、「なぜ日本人は4人でやってくるのか?」「なぜ4人でプレーしたがるのか?」という質問を受けたことがあります。2人ずつでラウンドすることを勧めても4人一緒に廻りたいと言うようです。このゴルフ場ではリゾートの住人しかメンバーになれないので、夫婦2人でラウンドすることが普通です。そのような流れの中に4人組が入ると渋滞を起こしてしまうので歓迎されません。また、オーストラリアではキャディーがいるゴルフ場は殆どありませんので、コースを全く知らないビジターが4人でラウンドしたら迷惑に違いありません。言葉も不自由なので4人で廻りたいという気持ちも分かりますが、ゴルフは4人で廻るものだという間違った先入観で外国にやってくる人たちがいかに多いことか。また、OBを打っても、プレイイングフォアの特設ティーがあるものと信じ切ってさっさと先へ進んでしまい、ボールが見つからないとか、OBだったので慌てて戻ってくるのは、本当のゴルフルールを知らない日本人が非常に多いというのは、プロゴルファーの世界でも国際的なプレーヤーが少ないことも含めて、日本人のゴルファーとして非常に残念なことと思います。ロストボールもOBと同じ扱いでプレイイングフォアの特設ティーから打っている日本人プレーヤーもよく見かけます。
マレーシアのゴルフが日本と最も違うところは、ゴルフ代の事を気にせずにプレーできること、そして世界のルールでプレーできることです。そしてもう一つ、南国ですが日本の夏のように暑くありません。気温は1年を通して30度前後です。バギーを止めるときは木陰を選んで止めると涼しい風が心地よく爽やかです。台風も地震もなく雨期でも雨が降るのは午後ですから、明日の天気など気にせずに一年中毎日でもゴルフの予定が立てられることです。最近の新聞情報によれば、2007年のアジア太平洋地域で最もゴルフ観光客が訪れた国はマレーシアだそうです。1年間で35万人に外国人ゴルファーが訪れ、落とした外貨が7億2000万リンギ(約245億円)だったそうです。しかし、観光客がプレーできるのは一流のコースではありません。メンバー制の一流コースではメンバー同伴のプレーしか認めていないからです。
いま、人生の第4クオーターを軽快に走っています。72歳になってこんなゴルフ三昧の日々が送れるなんて、サラリーマン時代には夢にも思っていませんでした。これから何回ゴルフができるか分かりませんが、このひとときを大切に、80歳になったときグリーンの上に立っていることを目標に、健康に留意して暮らしていきたいと思います。

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