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専門医ってなーに?

医療情報

診療科と資格

産婦人科医と産婦人科専門医の違いって分かりますか?そんなの一緒でしょ?って思われる方も多いのではないでしょうか。実は、産婦人科医だからといって産婦人科専門医とは限りません。産婦人科医というのは、「産婦人科」という診療科に所属する医師であるということです。そして、産婦人科専門医とは、産婦人科医の中でも規定のトレーニングを受けて、産婦人科医として必要最低限の知識を身につけていると認められた医師なのです。もちろん専門医試験という試験に合格する必要があります。各診療科(内科・外科・皮膚科など)毎に専門医制度があり、それぞれの基準で認定されています。

さらに、サブスペシャリティーとしての認定制度もあります。例えば、婦人科腫瘍専門医は、産婦人科専門医を土台として、特にがんについて詳しい知識と高い技術を持っている医師ということになりますし、生殖医療専門医は、体外受精など生殖補助医療技術(ART)を含む、高度な生殖医療(不妊治療)に精通した医師です。医学の発展とともに、習得しなければいけないことが爆発的に増えていて、それとともに医療の細分化が起こっています。それぞれの分野について専門医という資格制度を設けることによって医師のレベルを客観的に評価・担保しているのです。

がんが心配だから婦人科腫瘍尃門医に検診してほしい?

2022年5月時点で、全国の婦人科腫瘍専門医の数は1087名です。がんと診断された方は、婦人科腫瘍専門医の在籍してる病院で治療を受けられた方がいいかと思いますが、がん検診(子宮頸癌検診)については、産婦人科医であれば精度に差はないと思われます。是非お近くのクリニックや健診センターで、2年に1度は受けるようお勧めします。ちなみに、今のところ効果的な「卵巣がん検診」は存在しません。定期的に超音波検査や腫瘍マーカー測定を行ったとしても、予後(その後の病気の経過)の改善にはつながらないのが実状です。日頃から産婦人科のかかりつけ医を持ち、何か異変があればすぐに相談できるようにしておくことが重要です。

不妊治療は生殖医療専門医?

妊娠しようと試みているのに1年以上妊娠しないカップルは、どこかに原因がないか検査してみるのもいいでしょう。できるだけ早く妊娠したいと考えているなら、検査の段階から体外受精まで実施可能な不妊クリニック受診をおすすめします。体外受精が可能な施設には高率に生殖医療専門医が在籍しており適切なアドバイスがもらえるでしょう。月経周期の何日めかによって、行う検査が決まっています。効率的に検査や治療を行うためには、仕事の段取りを上手いことやって通院時間を確保することが重要となります。生殖医療は急速に発展しており、倫理的な問題解決が追いつかないほどになっています。しかし、いくら医療が進歩しても老化の問題を解決するのはまだまだ困難です。私たちが年をとるのと同じように、卵子も老化していきます。そして、その老化の速度は人によって様々です。どうしても子供が欲しいと考えるのであれば、早めに夫婦で話し合いましょう。

妊娠したら周産期専門医?

「周産期専門医」とは、周産期医療に従事する医師の水準を高め、高度な医学知識と技能によって他の医師に適切な指示を与えることができる臨床能力を有する専門医のことです。すべての産婦人科専門医は、妊娠・分娩管理についての十分なトレーニングを受けており、ほとんどの妊娠は、特に大きなトラブルなく元気な赤ちゃんが産まれて終了します。妊娠したからといって、周産期専門医がいる施設を探す必要はありません。しかし、中には母体も胎児も命の危険にさらされるという妊娠もあります。妊娠とはそもそもそういった危険と隣り合わせなものなのです。妊娠中や分娩時のリスクが高いと考えられる妊娠をハイリスク妊娠といい、周産母子センターでの管理が望ましい場合もあります。周産母子センターには、高率に周産期専門医が在籍しており、新生児集中治療室(NICU)も併設しているため、あらゆる事態に対応可能です。ただし、周産母子センターの受け入れ能力にも限界があります。周産母子センターでなければ対応が困難な妊婦さんを適切に受け入れることができるように、リスクが高くない妊婦さんについては、一般産婦人科での分娩をお願いします。一般産婦人科の中でも、できれば、産婦人科専門医が常勤医として複数名所属している病院がオススメです。

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